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2014年03月12日

櫻鱒への切符

トラウティストの皆様、あけましておめでとうござい鱒。

本年もどうぞよろしゅうお願いいたし鱒。


と、まぁ定番の挨拶から入ったわけですが。





なら3月1日に書けよ!みたいなね(笑)


どうもすいません、やっぱり今年もグダグダですw



さて、ご存知の方も多いと思いますが、3月1日に渓流・本流釣りが解禁しました。

それぞれにいろんな思いを抱えてオフシーズンを過ごしながら、待ちに待った解禁でございます。

もれなく私めも特別な思いを持って解禁を待ちわびていたわけであります。




昨年から始めたサクラマス戦。

昨年は諸事情があり、まともにサクラ戦を戦うことができず、まさしく不完全燃焼。

釣ることはもちろん、魚をかける、それどころか追わせることすらできませんでした。

まぁフルにできたとしても釣ることができたとは思えませんが

それでも今年はもっと本腰入れてサクラマスに挑もうと考えてて。



でも、

それでも、

今思えば、その頃は「釣れなくて当たり前」みたいな逃げ道を

心のどこかに残してたような気がします。




話は少し遡り。

解禁数日前から解禁日の作戦を仲間達と練り始めていました。

解禁を迎えるまでに川の下見や、天気の動向、魚の影など

出来うるすべての準備を進めていく仲間たち。

(もちろん僕はまだイメージも分析も何もできない状態ですから
あー、なるほど、なるほどとサクラマス釣りのピースの埋め方というか
考え方に聞き入るくらいしかできなかったのですけどもw)



解禁当日は僕を含め仲間4人で解禁を迎えることになったのですが

僕以外はみなサクラマスを釣り上げたことのある人達。

そんな3人と初心者の僕ですから

「3人のうち誰かが釣ってくれたら生でサクラマス見れる!」なんて思ってて。

いや、ぶっちゃけそれも十分に価値のあることなんですよ、ほんとに。

サクラマスを身内の誰かが獲ってそれを生で見れるなんてすごいことです。

解禁日ってやっぱり、魚も初めてルアー見るわけだからチャンスもあるしね。

こりゃまじで誰かが釣ってくれるぞと。

みんなまじで頼んだよ!と。

思ってたんですけどね。。。


そうだったんですけど、



そう思ってたんですけど、



だんだんそんなふうに思えなくなってきて。




自分の解禁日の釣りを後回しにしても

「なんとかあいつに獲らせてやりたい!」という思いで

一番釣れる可能性の高いポイントを絞込み、

解禁前日の場所取りまで考えて、僕に入らせてくれる仲間。

そして同じ気持ちで僕にポイントを譲ってくれる仲間。





「釣れなくて当たり前」?

「誰かの魚見れたらいい?」




冗談じゃないわ。


みんなの気持ちを無駄になんかできん。

なんとしてでもかけてやりたい!

釣ってやりたい!!

こんなの浅はかかもしれないけど、

初めから諦めてる奴に、チャンスなんか絶対こないはず!





そう思ったとき

僕はやっとサクラマスを狙っていい資格を得たんだと思います。



これが解禁前日お昼の話。













そして迎えた前日18:00。


仕事を終え、足早に準備をし、場所取りしながらみんなの到着を待つ。


22:00。

集まった仲間と共に、川原にて解禁前夜を過ごし、


0:00。

この川をこよなく愛した大兄を偲び、手を合わせる。



01:00。


そろそろお開きにして、



02:00。



やっぱりまだ飲んどるwwwwwwww




と、あいかわらずな感じはするけれど、急いでみんな車に戻り仮眠をとる。




目が覚めたのは目覚ましの鳴る2分前。

正装に着替え、ブーツの紐を締め上げていくたびに

まだ完全に目覚めていない頭も心も引き締まっていくようなそんな感覚。


と、車に向かってくるヘッドライトが一つ。

準備を整えた知らないアングラーが僕の入る予定のポイントの下流に入りたいとのことだった。



僕の頭を叩き起こすには、朝の凍てつく寒さよりも、彼の存在は充分過ぎた。



そうだ。

もう戦いは始まっているのだ。



ヘッドライトを足元だけに向け、とにかくポイントへと急ぐ。




そのころ、仲間のスタンバイしていたポイントでは

ありえない出来事が起こっていた。


下流側からポイントに忍び込み、

ヘッドライトをつけたままいきなり、人が前日から場所取りしていたポイントで釣りを始めた馬鹿がいたのだ。



すぐに漁協関係者の手によってつまみ出されたものの

そのポイントを狙っていた仲間のサクラマスへのイメージは急遽白紙に戻されたに違いない。


サクラマス。

人を狂わせる釣り。

だけど、それはあたりかまわずわがままになっていいという意味ではないはずなのに。




これが現実。


なんと不条理か。



解禁の一時に照準を合わせ、心も身体も道具も準備して挑むはずが

馬鹿な人間のわがままのせいで、そのチャンスはいとも簡単に消されてしまったのだ。


漁協関係者の方が迅速に対応してくれたものの

そもそもこんなことは、釣り人のモラルの問題であって、管理する側の問題ではないはず。

漁協関係者が監視に回っているから云々ではなく一人のアングラーとして当たり前のレベルの話。

防波堤で釣りしてる人の間に割り込んでくるのと同じ感覚でしか考えられない人間は

はっきり言って川に来ないで欲しい。



誰しもに釣りをする権利は平等にあるけれど、

他人の釣りを邪魔していい権利なんてないのだから。



そんなトラブルに見舞われながらも、日の出は刻々と近付き

少しずつではあるがポイントの全容が次第に明らかになっていく。

決して大きくない一つのポイントに右岸2人、左岸2人。

本当は仲間と二人だけで撃てるだろうと想定していた場所。



これが解禁。

今更ジタバタしても仕方ない。



次第に明るくなってきた頃

仲間の釣り開始するぞーとの声が響く。

と、同時に僕ら以外の竿からルアーが飛び出す。



こ、これが解禁。。汗



雰囲気に飲み込まれるな!とにかく1キャスト1キャストに集中しよう!

そう自分に言い聞かせ、想いをこめたミノーを撃ち放つ。



僕の2014サクラマス解禁である。



開始から数分。

対岸の仲間が「まさしくシーズン最初の1本」をかける。

おそらく近隣の河川を含めても1番だったんじゃないだろうか。

それくらいあっという間の出来事だった。

ルアーを急いで回収し、仲間のファイトに目をこらす。


が…


よく見えんwwwww

だってあまりに早すぎてまだ完全に明るくなってないんだものw

ファイト中に段々と明るさが増し、完全に表情まで見えるようになった頃、


危なげなく、ネットまで誘導。そしてネットイン。



まさに貫禄の1本。

狙って獲った1本。


すごいとしか言い様がなかった。

開始数分後の出来事に浮き足立ってしまいそうな気持ちを抑えるのが大変だった。

魚は間違いなくいる。チャンスは必ずある。

仲間からの激を受け、緊張感と程よい高揚感

そして、じわじわと、次の感情が沸き起こってきていることに気づいた。

「自分も釣りたい」「途中仮にバラシたとしても、魚を反応させて掛けてみたい」



黙々と投げ続けていると

別の川で解禁を迎えた仲間から、サクラゲットの情報が「次々に」飛び込んでくる。


おいおいおいおいおい!

まじですか!

すげーなみんな…

どうなってんだよ、いったい…




クロスよりのアップクロスで投げはじめ、少しずつダウン方向にキャストコースをずらしていく。

川を輪切りにするようなイメージでミノーを何度も何度も通していく。

流芯で感じる流れの重さは、心なしか軽やかで、なんだか見た目よりも居心地がよさそうに感じた。



焦りはなかったものの、時間がとてつもなく長く感じていた。

1キャスト毎に、経験不足故に的確な修正を加えることもできず

ただただ、キャストを繰り返すのみ。

自分の頭の中ではまだ魚の姿すらイメージできていなかった。

とにかくどこかに潜んでいる魚のテリトリー内にミノーが届くようにと。

考えていることは、本当にそれだけ。

正確に言えば、今の僕にはそれしか想像できなかったのです。






06:55過ぎ

クロス気味にキャストしたミノーがターンと呼ぶには小さすぎる方向転換をした頃

今まで感じることのなかった感触がミノーを襲う。



!!!




そのほんの一瞬の出来事の後に

自分のミノーに魚が食いついたことを知らせるかのように

ロッドティップが絞り込まれ始める。




!!!!!

きた!

本当にきた!



慌てて追い合わせのような形でフッキングを入れ、ドラグで耐えながら

少しずつ、魚を刺激しないように少しずつ巻きにかかる。



お恥ずかしい話、

お世辞にもバイトの瞬間を掴んだとか

しっかりとフッキングを決めたとか、そんなことは一切言えません。

きっとフッキング入れるタイミングも遅かっただろうし

魚とのやりとりにしても、もっとうまくやらないと危なかったでしょう。

とにかく何から何まで全くうまくできていなかったはず。



ただただ無我夢中で、魚に目をこらし

ただただ無我夢中で、リールを巻いていました。




「かけるだけでもいいから」

と思っていたはずなのに、いつのまにか

「逃がしてなるものか」

と思っていました。




案の定、ネットインのタイミングも掴めず、ネットを出そうとして何度か抵抗を喰らいましたが

とんでもないランを喰らうこともなく、おとなしく寄って来てくれたほうだと思います。



人生で初めてサクラマスが釣り上げられたのを見てから30分後の午前7時をまわった頃、

僕の人生初の櫻鱒は

かじかんだ手で握り締めたネットに無事収まりました。






櫻鱒への切符


54cn  1.83kg



魚のサイズもピンとこなかったし

フッキング位置も見誤ったし

今思えば本当によくとれたなぁと思います。



写真は僕の下流に入ってたアングラーさんが撮ってくれました。

名前も聞けず終いでしたが、今度お会いしたらちゃんとお礼を言いたいと思います。



時同じくして、もうひとりの仲間もサクラをキャッチ。

そしてもうひとりの仲間もほどなくして、サクラをかけたものの惜しくもバラシ。


4人中4人が魚を反応させ、3人がキャッチに至るという、まさに奇跡的な解禁日となりました。

昨夜、みんなで偲んだ大兄がきっと僕たちにいい釣りをさせてくれたんだろうと思います。

(後でわかったことですが、別の河川で解禁を迎えた仲間の釣果も加えると
仲間内8人で5本獲っていました。)



釣り上げたときはとにかく頭の中も真っ白で

あまり実感すらわかなかったんですが

多くの仲間から祝福され、祝福の固い握手をするたびに、張り詰めていた気持ちがだんだんと緩み

やっと「櫻鱒を釣ったんだ」という現実が理解できました。

同日惜しくもバラシてしまい悔しいはずの仲間が、

心からおめでとうと言って肩を抱いてくれたときはちょっぴり涙が出ました。



改めて

こんなに喜びや悔しさを共有できる魚はそうはいないんじゃないかと思います。




この一本は、自分だけの力でないのは言うまでもなく

場所を与えてくれた仲間、アドバイスをくれた仲間

一緒に解禁を迎えた仲間も、そうでない仲間も含め

本当にみんなに支えられて手にできた一本だと思います。


「今度は正真正銘自分の力で櫻鱒をかけ、そして釣りあげたい!!」

この一本は僕にそう決意させてくれました。



チャンスをものにできるように、通えるときを無駄にしないように

釣らせてくれた仲間への恩返しの為にも、なんとか自力で一本獲りたい。




まだまだシーズン始まったばっかり。

共に頑張っている仲間がいる。

いつでも心の支えが自分にはある。



頑張り鱒!


































この記事へのコメント
お見事です(*゚▽゚)/゚・:*【祝】*:・゚\(゚▽゚*)
もう一本期待して鱒♪♪
Posted by コロッケ定食コロッケ定食 at 2014年03月12日 17:37
おめでとうござい鱒!
今シーズンは思う存分暴れてください。

長ぇわいやw
Posted by Taka at 2014年03月12日 18:54
一緒に居た仲間からサンちゃんが捕った!って聞いた時は、天を仰ぎました。ああ、長かったー!って自分が捕ったみたいに胸を埋め尽くしていた空気が一気に飛び出しました。釣りに行きたくても行けなかった日々もあったけど、こうしてやっと迎えた解禁日に、サクラマス捕ることができて、ほんとによかったね。
あらためておめでとう!
Posted by こにゆき at 2014年03月13日 00:56
☆コロッケさん

どうもありがとう。
なんとしてでも自力で1本!
とれるように頑張り鱒!


☆Takaさん

ありがとうございます!
今季は可能な限りサクラ追いかけようと思います。
届かなくても、追いかけることで何かが見えるかもしれないですから。

でね、ほんと長なりすぎましたww
だって書き始めてから10日くらいかかったんだもんw


☆こにさん

思い起こせば今までもいろんな場面で
こにさんの存在に救われてきた気がします。
そしてきっとこれからも、
僕の大切な支えで有り続けてくれるんだろうと信じてます。

喜びも悔しさも同じ想いで共有できる仲間がいて
本当にありがたいことです。
ほんとに、いてくれてありがとう。

次はこにさんに櫻の切符が届きますように。
時間の許す限り、がむしゃらにサクラ追いかけましょうね!
Posted by サンジサンジ at 2014年03月13日 11:02
本当におめでとうございます!言葉では言い表せません。釣るべく人が釣ったのだと強く感じます。飲みながら、また話聞かせて下さい(笑)
Posted by セリ at 2014年03月13日 22:59
☆セリさん

ありがとうじゃ足りないけど、ほんとどうもありがとう!
身も心も投じてみて、初めて見える景色があるんだと改めて思いました。
覚悟というか。決意というか。
今更ですが、こんな釣りをやっていたんだなあ…と
セリさん含め諸先輩方に対して尊敬の念でいっぱいです。

旨い魚と旨い酒で早く素晴らしい仲間達と乾杯したいですな♪
その時のためにも、なんとか少しでも自分の足で
サクラに近づけるよう頑張り鱒!
Posted by サンジサンジ at 2014年03月14日 09:01
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櫻鱒への切符
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